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3日の試乗会では、JR東日本社員がGVの前で車両の特徴などを解説した=2025年7月3日午前11時4分、群馬県安中市、織田一撮影

 【群馬】JR高崎駅を発着する蒸気機関車(SL)の新たな牽引(けんいん)車「GV―E197系」が19日にデビューする。砕石輸送などに使われていた電気式気動車を改造した異色の車両だ。JR東日本高崎支社は運転開始を記念して新たなヘッドマークを作成。沿線の住民に手旗を振ってもらうイベントや、GVの見学会などを計画している。

 GVは、老朽化で昨年度に引退した電気機関車(EL)やディーゼル機関車(DL)の後継として導入された。営業車両としての運用はJR東日本管内で初めて。

 3日には沿線の自治体や観光業界の関係者ら約100人を招いて試乗会があり、高崎駅から横川駅まで信越線を走行。車内では沿線の高校の生徒がしの笛と打楽器チャッパの演奏を披露。地域の観光名所などを紹介した。

 19日と20日には信越線の高崎―横川間を走る。GVを2両連結して、客車3両と最後尾のSLを牽引する。21日には両毛線の高崎―桐生間を運行する。8月は9日に高崎―桐生間、10、11の両日に高崎―横川間を走る。

 JR安中駅長の平井浩二さんは「信越線は今秋、開業140年を迎える。地域のみなさんと一緒に信越線を盛り上げていきたい」と話す。沿線からは「鉄道で栄えた町に新しい牽引車が来ることはうれしい」(安中市観光機構)と観光客の増加を期待する声が上がっている。

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